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お三味線ことはじめ

その五 譜面と奏法

お三味線の譜面には色々な表記の仕方がありますが、私たちが使っているのは、いわゆる三線譜(三味線譜)というもので三本の線がそれぞれ三味線の糸に対応していて、音の高さと、長さ、簡単な演奏方法を記したものです。

音の高さは、開放弦を「0」とし、「1」「2」と数字で勘所の位置をあらわします。

ということは・・・もうお気づきでしょうか?「調子と本数」のところでお話しましたが、お三味線には実に様々な調弦のパターンがありますから、どの「調子」かを間違えて調弦すると、まったく曲になりません。

そこで譜面の左上に必ず「本調子」というように、その曲の調子を表示してあるのです。さらに、本数は唄い手に合わせて決めるものですから、譜面はあくまでも三本の糸それぞれの相対的な音の高低のみを表しているというわけです。

音の長さは数字の下に引いた線であらわします。休止符は黒点で、長さは同様に下に引いた線であらわします。速度や微妙な間はあくまでも耳で聞いて覚えるのが基本です。

それ以外に細かい記号が色々ついていますが、I、II、III は左手の指使いで I が人差し指、II が中指、III が薬指です。また数字の上の記号は奏法をあらわすもので、「ˆ」は「はじく」左の指で糸をはじいて音をだします。「v」は「すくう」右手で糸をすくって音をだします。「ウ」は「うつ」左の指で糸を打って音をだします。

他にも、右手で弾きとすくいを速く連続的するトレモロや、左手の勘所を移動させて音に余韻をだすスリ指やコキ指など、お三味線の味わい深い音を生み出す様々な奏法が記されています。

小唄 春日とよ芝鳳 / 端唄 芝鳳 / 常磐津 嘉代

 

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